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「ワコールのCSR 2012」(2012年10月発行) CSRレポート | CSR | ワコールホールディングス

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(1)

2012年10月発行 ワコールお客様センター  

0120-307-056

9:30∼17:00 (土・日・年末年始・祝日は除く)

〒601-8530 京都市南区吉祥院中島町29

社 会 と の 相 互 信 頼 づ く り

ワコール

C S R

(2)

は じ め に

経 済 ・ 環 境 ・ 社 会 、 す べてにおいて 、

持 続 可 能 な 未 来 のために 。

社 会 から存 在を期 待される企 業 であり続 けるために 。

 企業においては、商品やサービスをお客さまに提供するだけでなく、環境への配慮、 社会への積極的な貢献、そして法令遵守や人権尊重 …といった、「企業も社会を構成 する一員」であることを自覚した活動が求められています。

 それが「企業の社会的責任」といわれる「CSR」※です。社会や地球との共生を目指す

こと、といってもいいでしょう。

 この小冊子では、ワコールのCSR活動をご紹介していきます。

※「CSR」とは、 Corporate Social Responsibilityの頭文字をとったもので、日本語では「企業の社会的責任」と 訳されています。

「社会との相互信頼づくり」

CSRの目標

 私たちワコールは、お客さまや社会に支えられて成り立っています。これからも皆さまからのさまざ まなご要望や期待にお応えすることで、より信頼していただける会社であり続けたいと願っています。  もちろん、お客さまをはじめ、株主さま、取引先さま、従業員、地域社会など、ステークホル ダーとよばれる社会のさまざまな立場の皆さまから、ご信頼をいただくことは簡単なことではあり ません。まだまだお叱りを受けることも多いとは思いますが、「社会との相互信頼づくり」を目標に、 全力で取り組んでいきます。

 皆さまと確かな絆を深めることは、ワコールにとっての大きな喜び、かけがえのない財産です。皆 さまといつも笑顔で出会えるよう、着実に歩みをすすめてまいります。

ワコールとステークホルダー

 ワコールの事業活動は、多くのステークホルダー※と社会の信頼の上に成り立っています。事業

活動を通して、各ステークホルダーからのご期待に応えていくことが「相互信頼」を確立し、企業の 社会的信頼度を高めることにつながると考えています。

※「ステークホルダー」とは、組織に関わるさまざまな利害関係者(個人又はグループ)のことです。

ワコールの目標

世の女性に

美しくなって貰う事によって 広く社会に寄与する事こそ わが社の理想であり 目標であります

社 是

わが社は

相互信頼を基調とした 格調の高い社風を確立し 一丸となって

世界のワコールを目指し 不断の前進を続けよう

経営の基本方針

1. 愛される商品を作ります 2. 時代の要求する新製品を開発します 3. 大いなる将来を考え

正々堂々と営業します 4. より良きワコールは

より良き社員によって造られます 5. 失敗を恐れず成功を自惚れません

従業員と その家族

地域社会 株主

投資家

社会

期待

ステークホルダー 行政 お客様

NPO NGO ビジネス パートナー

利害

影響 影響

 私たちの事業活動は、一人ひとりのお客さまの声に耳を傾け、謙虚に自らを変革し、 人と人とが「互いに信頼しあう関係」を積み重ねることで成り立っています。

 こうした「相互信頼」と「人間尊重」の考え方こそがワコールの原点であり、創業以 来の経営理念となっています。

(3)

フィッティングメジャーをあしらった ピンクリボンのシンボルマーク

コミュ ニ ティ参 画

コミュ ニ ティ参 画

ワコール ブレストケア活動

ワコール ブレストケア活動

世 界 1 2 の国と地 域に広がるワコールのブレストケア活 動

目 次

目 次

c o n t e n t s

 ワコールは、乳がんの啓発・検診・術後のサポートを行う活動、「ブレストケア活動」を推進しています。 乳がんで悲しむ人が、世界中からいなくなる日まで。ワコールの活動は続きます。

 「ワコール ブレストケア活動」は、乳がんをなくすことを目的にした活動です。

『 ブ ラジャー の 、願 い 。』

女 性 共 感 企 業 ワコー ル の 使 命

ひとりでも多くの人に、乳がんの事実を知ってもらいたい。 ひとりでも多くの人に、乳がん検診を知って受けていただきたい。 そして、乳がんを経験された方をサポートしていきたい。

 これらの活動を、海外を含むワコールグループ全体で展開していきたいと考えています。

 ワコールグループでは、世界の12の国と地域で乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の支援をす る「ワコール ブレストケア活動」を行っています。

 今では、ピンクリボン活動12カ国、リマンマ事業8カ国、 検診サポートバス支援3カ国と活動が広がっています。

 2011年には「ワコールグループ ブレストケア活動」の新シン ボルマークをつくりました。今後、世界共通のグローバルシン ボルとして展開していきます。

労 働 慣 行

人材育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 ワコール行動計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 障がい者雇用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 安全と健康・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

公 正 な 事 業 慣 行

ワコールの行動指針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 仕入先検査機関認定登録制度・・・・・・・・・・31 知的財産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

人 権

人権の尊重・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

組 織 統 治

コーポレート・ガバナンス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 コンプライアンス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

C S R 活 動 方 針

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

もっと知りたい、ワコールのこと

・・・・・・38

はじめに

ワコールの経営理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 CSRの目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 ワコールとステークホルダー・・・・・・・・・・・・・・・2

コミュニティ参 画

ワコール ブレストケア活動・・・・・・・・・・・・・・・・・4 デューブルベ事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 ツボミスクール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 グッドエイジ事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 文化教育活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

お 客さまへ の 対 応

接客販売−個客専心の想い・・・・・・・・・13 お客さまへの対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 品質管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 製品サービスの安全・安心・・・・・・・・・・・・・・・17 ワコール人間科学研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

環 境

環境方針・目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 環境保全の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

ワコールグループはISO26000に沿ってCSR活動を行っています

乳がんの早期発見・早期診断・早期治療を行う 「ピンクリボン活動」(2002年∼)

乳がんの早期発見支援を行う 「乳がん検診サポート事業」(2009年∼)

美しいバストラインの再生支援を行う 「リマンマ事業」 (1974年∼) 3

(4)

コミュニティ参画

リマンマ製品

ワコールの乳がん検診車「AIO(アイオ)」

ピンクリボン活 動

ピンクリボンフィッテイングキャンペーン

アジア各地に広がるリマンマ事業

 「自分のバストを知ってもらうこと」をスローガンに、日本では2007年より10月のピンクリボン月間 にあわせて、「ピンクリボンフィッティングキャンペーン」をスタート。2008年からはウェブ上で乳がん のことを知っていただくために「ピンクリボン検定」も行っています。

 フィッティングキャンペーンでは、お客さまにご試着いただいたブラジャー1枚につき10円を、ウェ ブ上の検定では1回の受検につき3円を、参加者に代わって、ワコールから公益財団法人日本対がん 協会の「乳がんをなくす ほほえみ基金」に寄付しています。

 この活動を通じて、今後も、より多くの皆さまに自分のバストのことを、そして乳がんのことを知っ ていただきたいと願っています。

 日本では1974年から実施している「リマンマ事業」という社会貢献事業(ソーシャルビジネス)が近 年アジア各地にも広がってきました。香港、台湾、中国、韓国、マレーシア、タイ、インドネシア…。 この現象はアジアでも乳がんにかかる人が増加傾向にあり、また社会的な関心の高まりを受けたもの です。「いつも、いつまでも、美しくありたい」女性の願いは国境を越えて響き合っています。

マッチングギフトによる寄 付 活 動

 ワコールでは2005年から、ピンクリボン活動に株主の皆さまからご寄付をご協力いただいています。 この活動には、マッチングギフト方式を取り入れています。

 マッチングギフト方式とは、株主優待でお届けしているワコールの商品券の一部を、公益財団法人 日本対がん協会に寄付することができ、株主の皆さまからの寄付額にワコールが同額を上乗せする ものです。

愛の検診車 台湾、タイでも大活躍

 台湾ワコールでは、女性の健康意識を高めるために、「ピンクリボン乳がん啓発活動」を中華民国乳 がん病友協会と協力して開催しました(2010年)。「自愛は胸から始まる!」をスローガンに、ワコール イメージガールやピンクリボン大使が、乳がん検診の必要性やセルフチェックの方法などについて説明 をしました。また現場では、乳がん検診車を設置し、来場者への無料検診を実施。この乳がん検診車 は台湾全土を巡回し、各地で無料検診を行いました。

 タイでも、タイワコール他、各社協賛のもと、デジタルマンモグラフィを配備した乳がん検診車を乳 がんセンターへ贈呈しています。商品購入者に無料で乳がん検診を受けていただく活動や、セミナー 講演会、チャリティー活動も行っています。

リマンマ事 業

 日本人の約16人に1人が乳がんになり、毎年10,000人を超える方が命を失っています。にもかか わらず乳がん検診の受診率は約25%。このような現状を考えたとき、ワコールでは少しでも検診の機 会を増やすことで早期発見につなげたいと考え、2009年10月から「乳がん検診サポート事業」をス タートさせました。デジタルマンモなど最新の検診機器を搭載した乳がん検診車を購入し、検診事業 を行っている医療機関を支援する取り組みです。

 実際の検診は医療機関に検診車を賃貸する形で行い、より多くの女性に 愛を 届けるためにという

思いを込めて、「AIO(アイオ)」と命名。

 乳がん検診サポート事業では、AIOで検診を受けて、万一、乳がんが発見された場合に備えて、提 携先の医療機関を紹介する体制を整備。今後は各地域の病院との連携をすすめ、安心して受診できる 体制づくりを目指していきます。

 日本人の約16人に1人が乳がんになり、毎年10,000人を超える方が命を失っています。にもかか わらず乳がん検診の受診率は約25%。このような現状を考えたとき、ワコールでは少しでも検診の機 会を増やすことで早期発見につなげたいと考え、2009年10月から「乳がん検診サポート事業」をス タートさせました。デジタルマンモなど最新の検診機器を搭載した乳がん検診車を購入し、検診事業 を行っている医療機関を支援する取り組みです。

 実際の検診は医療機関に検診車を賃貸する形で行い、より多くの女性に 愛を 届けるためにという 思いを込めて、「AIO(アイオ)」と命名。

 乳がん検診サポート事業では、AIOで検診を受けて、万一、乳がんが発見された場合に備えて、提 携先の医療機関を紹介する体制を整備。今後は各地域の病院との連携をすすめ、安心して受診できる 体制づくりを目指していきます。

乳がん検 診サポート事 業

 乳がんを経験された方に、美しいボディラインと素敵な笑顔を取り戻していただきたいとの思いか ら、1974年より取り組んでいるリマンマ事業。手術やリハビリの専門家の意見とワコールの長年の研 究をもとに、からだへの負担を軽減するパッドやインナーウェア、水着などの製品を開発。バストの状 態に応じたさまざまな機能を備えたブラジャーや、自然な感覚でお使いいただけるパッドなどが揃って います。

 これらのリマンマ製品は全国6カ所の「リマンマルーム」で個別にご 相談を受けながら販売しており、また通信販売も行っています。  さらに毎年、各地で乳房を手術した女性のために「採寸・試着な どの無料相談会」を開催(1993年∼)。実際の製品を手に取ってご 覧いただいています。

(5)

コミュニティ参画

電光掲示板でのPR 競技場でビッグフラッグ掲出

ピンクリボン京 都

 「ピンクリボン京都」は、ワコール本社がある京都で、医療機関の医師・看護師、NPO、京都の地元 企業、学生、京都市・京都府、各メディアが一体となって発足しました。

 ワコールは2005年の立ち上げから関わり、支援活動を続けています。活動は 自社だけに終わらせず、「乳がん撲滅キャンペーン」を地域社会へ広げていくことを 目的にしています。

 また「乳がん検診」や、ピンクリボン活動への協力を呼びかける市民公開講座 も開催。乳がん早期発見を呼びかける広報活動として、より多くの人たちに届け るべく、京都のメディアを通じて、乳がん啓発メッセージを発信しています。

京都タワーライトアップ

 京都タワーを毎年10月にピンク色にライトアップして、ピンクリボン活動 のPRを行ってます。京都駅前で行う乳がん検診にあわせて、検診終了後に 京都タワーをライトアップします。点灯に先立ち、京都府知事、京都市長の 出席のもと、カウントダウンイベントを行います。なお、イベント当日は京都 府庁、京都市役所、福知山城などもピンク色にライトアップされます。

ワコールサンガデー

 「京都サンガFC」ユニフォームのオフィシャルサプライヤーとして協賛していることから、京都サン ガワコールスペシャルデーで、啓発活動を実施しています。

 西京極スタジアムでは電光掲示板でのPRと、競技場でのビッグフラッグを掲出しています。

 「京都サンガFC」ユニフォームのオフィシャルサプライヤーとして協賛していることから、京都サン ガワコールスペシャルデーで、啓発活動を実施しています。

 西京極スタジアムでは電光掲示板でのPRと、競技場でのビッグフラッグを掲出しています。

アメリカでの取り組み

 日本より、いち早く1999年7月にスタートした米国ワコールのピンクリボン活動。

 2001年4月より、乳がん撲滅(Fight)の意志をこめて名付けた『フィット・フォー・ザ・キュア 「Fi(gh)t for the Cure®」※』の活動を開始しました。全米各地の百貨店・専門店の店頭での乳がん

撲滅募金活動を年間を通して行っています。毎年10月には、乳がん撲滅キャンペーンの一環である『サ ポートガールズ』『ブレスト・キャンサー・アウタ・ヒア』イベントを、店頭とオンライン上で展開しています。  この活動はブラジャー1枚の試着につき2USドル、さらに商品1枚の購入につき2USドルを、毎年 「スーザン・G・コーメン乳がん基金」に、乳がん研究および啓発活動の資金として寄付するものです。

 さらに、店頭だけでなく、様々な企業へコンサルタントを派遣し、乳がん 撲滅運動を開催。各企業では、このイベントを女性従業員の福利厚生向上策 の一環ととらえ、会場に試着室とウェブ・ショッピング(ワコールダイレクト) ができる環境を整え、商品購入から寄付までを完結させています。  フィット・フォー・ザ・キュアは、「正しく合ったブラを着用し、胸の健康 を大切にすることで、着ごこちのよさや自信が生まれる」という知識をお客 さまへ広める機会も与えます。また、乳がんはワコールにおいて最も大切 で身近な問題であり、寄付を通して貢献できることは大きな意味があると 考えています。今後も積極的に全米規模で活動をしていく予定です。

※ Fit for the Cure® is a registered trademark of Susan G. Komen for the Cure®.

ピンクリボン京都スタンプラリーポスター

スタンプラリー

 名所の多い京都の地域性を生かし、京都東山地区にある寺院やお店を巡 りながらのスタンプラリー。ただ歩くだけではなく「京都」に触れながら、 ピンクリボンクイズに答えていただき、乳がんについて身近に感じてもらう ことを目的に開催します。

 高台寺公園に企業ブースを出展し、ワコールのブレストケア活動の紹介 や、乳がん検診車「AIO(アイオ)」で検診を行いました。

がん検 診 企 業アクション

 2009年10月、厚生労働省がん対策推進室が進める「がん検診企業アク ション」が立ち上りました。これは、企業内の検診率向上により、日本全体 の検診率をアップさせる取り組みです。現在、ワコールは「がん検診企業ア クション」に参加し、「がん検診の受診促進活動」を行っています。

乳 房 健 康 研 究 会

 2000年春、乳がんによる死亡率低下を願う4人の医師によって発足した 日本初の乳がん啓発団体が「認定NPO法人 乳房健康研究会」です。  ピンクリボンバッジ運動をはじめ、出版・調査活動、セミナーやウォーキ ングイベント開催などの啓発活動を通じて、乳がんに関する正しい情報の 発信と、死亡率低下に貢献するための活動を展開しています。

 ワコールも2002年9月から、シンポジウム協賛するなど、活動を続けて います。

京都タワー ピンクリボンライトアップ

(6)

コミュニティ参画

着脱しやすい マジックテープ® デューブルベポスター

大 学 病 院との共 同 研 究

 女性一人ひとりに合うブラジャーが提供できる「セミオーダー」というデューブルベの特性を活かし て、ワコール人間科学研究所は、大学病院と共同研究を行っています。それは、乳房再建手術を受け られた方に、ジャストフィットする商品をご提供するための研究です。

 乳がんの全摘手術時、あるいは術後に乳房再建手術を受ける方は年々増える傾向にありますが、乳 房再建手術後のバストはデリケートで、乳房のかたちが安定するまでに1年ほどかかると言われます。 再建したバストには、既製品のブラジャーをフィットさせづらく、術後の女性に合った下着を選んでい ただくことは難しい状況にありました。ワコールはこのような課題に対して、乳房再建手術をされた女 性のQOL(Quality of Life=生活の質)向上に寄与できると考え、大学病院との共同研究で「乳房再 建後の下着の安全性と有用性」を検証し、実証しています。

 乳房再建手術をされた女性の多くは病気への不安を抱えているので、バストと同様に、心理面でも きめ細かなケアが必要な状態にあります。その一方で、「おしゃれな下着を身につけたい」という気持 ちもお持ちです。再建中のバストをやさしく包んで、ぴったり合う商品をご提供できること、豊富なデ ザインからお選びいただけることなど、ワコールができることを最大限に活かして医療機関と協力して います。

 通常、店頭で販売されているブラジャーには約50のサイズがありま すが、すべての女 性の体 型をカバーしきれない場 合もあります。 1999年に誕生したデューブルベは、一人ひとりの左右のバージス (バストの底面周径のライン)のサイズを測定し、3,030通りものサイズ 展開の中から、ジャストフィットしたセミオーダーブラジャーを提供す る、「課題解決型」の商品です。

 女性一人ひとりに合ったブラジャーを、しかも、既製品と大きく変 わらない価格で提供することが、デューブルベの使命です。

デューブルベ事業

/セミオーダーブラジャー

デューブルベ事業

/セミオーダーブラジャー

 2001年から、小・中学生(小4 ∼中2)とその保護者の方に、下着やからだについての基礎知識を学 んでもらうために、関東・関西を中心に開催している「ツボミスクール」。思春期の子どもたちは、自分 の身体的な変化に戸惑いや不安を感じることも多いため、きちんとした知識を身につけ、健康で美し い女性に成長してほしいという願いを込めて始まった出張型授業です。

 ツボミスクールでは講師(ワコールの従業員)がワコール人間科学研究所の研究データなどをもと に、体型の成長や大人と子どものからだの違いなどをわかりやすく説明。さらに成長に合わせたブラ ジャーの選び方、バストサイズの正しい測り方についてゲームなどを交えながら楽しく学んでいきます。  各地の子ども会や、ガールスカウト並びに最近は学校の授業と

して行われるケースも多く、養護教諭の研修会、学校保健委員会、 PTAの研修会など、教育現場での開催が増えてきています。参加

した子どもたちからは、「スクールが楽しかった」、「恥ずかしがら

ずに自分のからだを理解するのは大切だと思った」など、たくさん の感想が寄せられています。

 2001年から、小・中学生(小4 ∼中2)とその保護者の方に、下着やからだについての基礎知識を学 んでもらうために、関東・関西を中心に開催している「ツボミスクール」。思春期の子どもたちは、自分 の身体的な変化に戸惑いや不安を感じることも多いため、きちんとした知識を身につけ、健康で美し い女性に成長してほしいという願いを込めて始まった出張型授業です。

 ツボミスクールでは講師(ワコールの従業員)がワコール人間科学研究所の研究データなどをもと に、体型の成長や大人と子どものからだの違いなどをわかりやすく説明。さらに成長に合わせたブラ ジャーの選び方、バストサイズの正しい測り方についてゲームなどを交えながら楽しく学んでいきます。  各地の子ども会や、ガールスカウト並びに最近は学校の授業と

して行われるケースも多く、養護教諭の研修会、学校保健委員会、 PTAの研修会など、教育現場での開催が増えてきています。参加 した子どもたちからは、「スクールが楽しかった」、「恥ずかしがら ずに自分のからだを理解するのは大切だと思った」など、たくさん の感想が寄せられています。

ツボミスクール

 介護の必要な方を除く大半の高齢者は、加齢による身体機能の衰えを感じながらも、基本的には自 立した生活を送る元気な方々です。また、65歳以上の高齢女性の半数以上は外出の頻度も増える傾 向にあり、「体型に合う衣類が少ない」ことや、「好みの衣料品が近くで買えない」ことに一番の不満を 感じています。

 ワコールでは、こうした65歳以上の女性高齢者の衣類の悩みを解決し、いつまでも美しくありたい というニーズに応えるため、2002年にグッドエイジ事業をスタートしました。

 「らくラクパートナー」というブランド名で着脱が容易な設計や、人間科学研究所の体型データを基 に60歳以上の女性高齢者の体型を分析。通常のJIS規格サイズとは異なるワコール独自の規格「コ ンフォート(ゆったり)サイズ」を設定し、「らくラク親切設計」による機能性と快適性にこだわる商品を 開発しました。これにより、65歳以上の女性高齢者の体型にフィットし、快適に過ごしていただける インナーからナイティー、アウターまで生活全体をサポートする商品を提供しています。

 これからの高齢化社会に向けて、グッドエイジ事業は商品の企画・開発を追究していきます。ワコール では、こうした商品を元気な高齢女性の方々に、より知っていただくためにも、介護売場やリビング売 場に埋もれたシニア市場を顕在化させ、高齢者のQOL(Quality of Life=生活の質)向上に資する ブランドとして、この事業を強化していきます。

グッドエイジ事業

(7)

コミュニティ参画

ラグジュアリー展 於:京都国立近代美術館

乳房文化研究会主催 「15周年記念 OPPAI LAB.−Ⅱ コーポレートOPPAI」より

ココロス HP

スパイラルビル外観 ○R

 下着に向けられた女性の思いを社会科学的に検証する「cocoros(ココロス)」。

 「cocoros(ココロス)」というネーミングは、「ココロ」の複数形。女性たちの「心」という意味ばかり でなく「志す」「心する」という意味を込めて2004年に始まりました。

 その目標として、女性のこころを核に、その心理・意識、ライフスタイル、価値観、行動という領域 での調査・研究を通して、女性の美、快適、健康への貢献を目指します。 心理学の学識者のもとに随 時、企業メンバーが参加して、共同で調査研究を進めています。

 「女性の心理と下着の研究サイトcocoros」をオープンして研究成果を一般公開、日本繊維製品消費 科学会の学会誌にも論文を発表するなど、学術的な手法に基づく下着心理研究の社会的認知を広げ ています。

 「下着心理学」に関する研究は少なく、ほとんど未開拓の学問分野。戦後の洋装下着の歴史的資料 も有するワコールにこそ可能な「学術的な社会貢献」として期待されています。

 ワコールの女子陸上競技部「スパークエンジェルス」は、 一人ひとりの女性選手が、それぞれの持 てる力を発揮して、明るく生き生きと、活動的かつ美しく競争し、活躍すること を目的に1986年結 成されました。

 創部以来20年以上にわたり、「スパークエンジェルス」の選手たちはオリンピックをはじめ数々の国 内外の競技大会に出場し、優秀な成績をおさめています。 

 女性共感企業を目指すワコールは、こうした活動を通してスポーツの素晴らしさやスポーツで活躍 する女性の美しさを広く伝えていきたいと考えています。

 衣服や下着、装身具など、歴史的な西欧服飾を専門に収集・保存・研究・公開し、服飾文化の将来 を探求することを目的に設立されたのが「公益財団法人 京都服飾文化研究財団(THE KYOTO COSTUME INSTITUTE)」です。当財団は、ワコールの全面的支援のもと1978年に設立され、今日 まで30年以上にわたり活動を続けています。

 歴史的に価値の高い衣装を中心に、文献やポスター、ファッションプレートなど当財団のコレクショ ンは、約3万点を収蔵しています。とりわけ18世紀、19世紀などの時代を経た衣装は劣化が激しいも のが多く、収蔵庫の温湿度を一定に保って保存し、必要に応じて補修も行っています。また、当財団 での研究成果を公開する衣装展は、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルスなどの海外からも招聘され、各 地で国際文化交流の架け橋となっています。

公 益 財 団 法 人 京 都 服 飾 文 化 研 究 財 団(KCI)

 1991年に発足したワコールが活動を支援する「乳房文化研究会」は、医学や生物学といった自然科学をはじめ、社会科学、人文科学など多

岐にわたる分野の専門家が集まり、乳房を象徴とする女性の こころ と からだ に関する諸問題に取り組む団体です。

 発足以来、研究成果や知見などの情報交換、討論を通じて、社会の 中における女性という存在への理解を深める活動を続けています。

乳 房 文 化 研 究 会

ココロス

スポーツ活 動

 ワコールは1985年、 生活とアートの融合 をテーマにした複合文化施設「スパイラル」を東京・青 山にオープンしました。演劇、舞台、音楽、シンポジウム、美術展など、多彩なジャンルのイベントに 対応する「スパイラルホール」を擁し、若手アーティストに発表の場を提供するとともに、彼らとのコ ラボレーションによる多彩な文化活動を展開しています。

 このほか「スパイラル」には、コンテンポラリーアートギャラリーや 生活雑貨マーケット、カフェ、レストラン、美容サロンなどが併設され、 トータルに 生活とアートの融合 を体感できる文化情報の受発信基 地として、各方面から常に注目と関心を集めています。ワコールはこ れからも、スパイラルでの文化事業を通し、 アートを取り入れた生 活 を広く社会に提案し続けていきます。

スパイラル

(8)

お 客 さま へ の 対 応

お 客 さま へ の 対 応 お客さまへの対応

ワコールのBA

さまざまなお問い合わせ  ワコールでは1999年、販売員の呼称をそれまでの「セールスレディ」から「ビューティーアドバイ

ザー(以下「BA」)」へと改めました。このネーミングには、当社が企業姿勢の柱としてお客さまに提供 し続ける究極の価値観「美」への想い、また対面接客を通じた専門的アドバイスによる信頼構築という 理念が表現されています。

 厳しい研修で鍛えられ、採寸・フィッティングの技術や、商品の素材特性の知識を身につけたワコール のBAは、社内のボディフィット審査や(社)日本ボディファッション協会認定試験に合格した精鋭たち です。なかでも特筆すべきは、彼女たちが業務の中で不断に磨いている 聴く力 でしょう。下着選び はデリケートなテーマなだけに、ご自身の要望を何から何まで口に出されるようなお客さまは、むしろ 少数派に属するからです。

 例えば、「商品をご覧になって、『これでもいい』と言われるのと、『これがいい』と言われるのは、 ニュアンスが違います」(当社BA教育担当)。ちょっとした言葉づかいやしぐさをキャッチし、潜在的 な気持ちを感じ取る力があって初めて、ご満足いただける商品をご案内できるのです。

ビューティーアドバイザー

 「愛される商品づくり」を経営の基本方針に掲げるワコールにとって、 BAが受け止めるお客さまの声は、まさに宝の山です。当社ではBAの持 つ顧客情報をよりダイナミックなかたちで吸い上げ、業務上の意思決定 や商品開発に活用する取り組みを進めています。

 具体的には、10数年前より、店頭でのお客さまの声をBAと企画担当 者が商品開発に反映させる「BA検討会」を設けています。また、新商品 の開発にあたっては、複数の試作サンプルをBAに示して意見を求めるの が通例となっています。

B A の声はお客さまの声

接客販売

個客専心の想い

接客販売

個客専心の想い

 年間6万件に近い、お客さまからのさまざまな「お問い合わせ・お申し出(商品や売場に対する苦 情)」にお応えしているのが、「お客様センター」です。そのうちの大半は、商品の在庫、商品特長、取 り扱い店舗、資料請求などについての「お問い合わせ」です。また、約1割が「お申し出」で、商品、販 売員、宣伝販促活動などへの苦情が寄せられます。いずれの場合も、お客さまの立場に立ってお知り になりたいことを迅速にお伝えし、かつご納得いただける説明を心がけています。

お客さまの声のフィードバック

 お客様センターでは「お申し出」を月次の報告にまとめ、社内会議で共有化を図るほか、とくに気づ いた点があれば当該商品の担当部署に連絡し、共にお客さまの視線での改善策を考える場合もありま す。社内のイントラネット上に設けた「カスタマーボイス」に掲示し、お客さまの個人情報を省いた内 容を全社員が閲覧できることで、情報を共有しています。

 お問い合わせの多くは、商品購入に関するものですが、接客や商品に対する苦情なども寄せられて います。販売員の接客マナーに対するお申し出はスピーディに、該当する店舗に確認をとり、改善に 努め、また、販売員の研修などを通じて指導しています。商品の改良提案については、商品開発の部 門と連携を取り、よりお客さまに喜ばれる商品を提供できるように努めています。

 「インティメイト・アドバイザー※」や「繊維製品品質管理士」「消費生活アドバイザー」などの資格や 専門知識を有するスタッフが対応することで、対応品質の更なる向上に取り組んでいます。

 スカッシュ制度は、店頭に寄せられるお客さまの声と、それに対するBAの意見を週単位でまとめて 本社に送り、商品開発などの本社担当部署がすばやく善後策を講じて店頭に返すという、スピーディ な「お客さま対応」システムで、2004年からスタートしました。Speed(速さ)、Question(質問)、 Answer(回答)、Shift(仕組み)の頭文字をとったものですが、お客さまのご意見を反映した製品の 開発・改良、店頭での接客品質向上に取り組んでいます。

ワコールお客 様センター

スカッシュ

( SQUASH)

の制 度

∼店 頭からの声にクイックレスポンス∼

お客さまへの対応

(9)

お客さまへの対応

ISO9001の「品質方針」  品質保証基本規程では、ワコールグループの商品の品質についての基本的指針、及びその維持と向

上のための基本的事項を定めています。「商品の品質に係る基本方針」に基づき、商品の品質を維持・ 向上させ、またお客さまを始めとするステークホルダーの要求を満たすことにより、その信頼を得るよ う品質保証活動に取り組んでいます。

品 質 保 証 基 本 規 程

 ワコールは、1997年3月に、国内アパレル企業で初めて、ISO9001(品質保証のための国際基準)の認証を取得しました。「顧客満足」や「品質保証」を目的とした品質マネジメントシステムを運用する

ことで、お客さまに安心と信頼をお届けしています。その後、外部審査機関より1年ごとにサーベイラ ンス、3年ごとに更新審査を受けており、品質マネジメントシステムの維持・向上に努めています。

 ワコールは、1997年3月に、国内アパレル企業で初めて、ISO9001(品質保証のための国際基準) の認証を取得しました。「顧客満足」や「品質保証」を目的とした品質マネジメントシステムを運用する ことで、お客さまに安心と信頼をお届けしています。その後、外部審査機関より1年ごとにサーベイラ ンス、3年ごとに更新審査を受けており、品質マネジメントシステムの維持・向上に努めています。

 当社の経営理念の下、当社の経営の基本方針である

品質管理教育

 ISO9001の教育カリキュラムとして、入門編・初級編・中級編・上級編に分け、定期的に教育を行っ ています。ISOの基礎教育から、「内部監査員認定研修」「内部監査員力量UP研修」など、品質マネジ メントシステム内の全要員が対象となっています。

「商品の品質に係る基本方針」

 ワコールグループは、商品の品質が、お客さまからの要求を常に満たすものであることを目指すた めに、役員、従業員は以下に掲げる基本方針に基づき行動し、商品の品質向上に取り組みます。

を方針として、全員が一丸となって、お客さまにご満足いただける商品づくりを目指し、要求事項への 適合と品質マネジメントシステムの継続的改善を実践しています。

I S O 9 0 0 1

 ワコールでは「品質のワコール」であり続けるための生産活動を発表する場として、「品質展」を継続 的に開催しています。仕入先さまを招いて、ワコールの品質管理の取り組みや、お客さまからのお申 し出の内容や対応の実例など、品質に関するさまざまな情報を展示と発表で紹介。品質に対する情報 共有と意識の向上を図っています。

品 質 展

 品質に関わる問題が発生した場合は、すみやかにお客さまへお知らせするために、株式会社ワコール ホームページトップの「重要なお知らせ」に情報を開示しています。

品 質に関する情 報の開 示

品質保証部

 ワコールグループの品質保証活動を推進するため、品質保証に関するワコールグループの最高機関 として、「品質保証審議会」を設置しています。ここでは、ワコールグループに適用される、商品の品質 に関わる規則、規格、基準などの制定、改廃及び承認、ワコールグループに生じた、または生じるお それのある重大な品質問題への対処、及び是正処置もしくは予防処置、などの業務を行っています。 また、各グループ会社では、当該事業部門の商品に関わる品質保証活動を推進するための機関として、 「品質管理委員会」をそれぞれ設置しています。品質管理委員会では「品質保証基本規程」に基づき、

各グループの「品質保証細則」を定め、品質管理に取り組んでいます。

 品質保証部は、お客さまに販売及び提供する商品やサービスが、安全かつ安心であり、顧客満足を 保証できる体制を構築することを組織のミッションとして、「品質保証審議会」「品質管理委員会」の活 動を推進しています。

推 進 体 制と役 割

品質管理

安全で愛される商品を常に供給すること  

時代の変化に適合した品質を追求すること 法令を遵守し公明正大に活動すること 3

2 1

愛される商品を作ります

時代の要求する新製品を開発します

大いなる将来を考え正々堂々と営業します

より良きワコールはより良き社員によって造られます

失敗を恐れず成功を自惚れません 5

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お客さまへの対応

針折れの問題

 中でも注意しているのが、縫製工程で発生する針折れの問題です。繊細な縫製を行う場合、特に異 なる生地を縫い合わせる時や金属部品に針が当たった時など、まれに針が欠けてしまうことがありま す。縫製中に針が欠けた場合には、周囲の全作業を中断し、針の断片を徹底的に回収します。集めた 断片は、「折れ針確認器」で1ミリの断片も見落とさないよう、細心のチェックを行い、さらに欠けた針 同士の断面を合わせて、元通り完全な形に復元しています。

 こうした針折れの飛散防止のために、ミシンにプラスチック製の「折れ針飛散防止ガード」を取り付 け、さらに出荷時には金属探知器でも検査するなど、徹底した品質管理を行っています。

 ワコールでは、1枚のブラジャーは、実に40以上ものパーツから構成され、さらに1つのパーツは、 約25種類の素材・部材から作られています。それらのパーツをつなぎ合わせることで、初めて1枚の 製品がつくられます。

美しさを構 成する4 0 以 上のパーツ

 仕上がった製品に対するワコールの最終検査は、ブラジャーで25項目にも及び、縫い目の数が合っているか、規定通りに縫われているかなど、細かい部分まで人の目でくまなくチェックしていきます。

こうした厳しい検査を通過したものだけが、ワコールの製品として認められます。

 仕上がった製品に対するワコールの最終検査は、ブラジャーで25項目にも及び、縫い目の数が合っ ているか、規定通りに縫われているかなど、細かい部分まで人の目でくまなくチェックしていきます。 こうした厳しい検査を通過したものだけが、ワコールの製品として認められます。

2 5 項目に及ぶ最 終 検 査

 これらの熟練した生産技術やノウハウは、日本から海外の生産工場へも広がっています。統一され た厳しい品質基準のもとで、ワコールの製品は、世界中で、同じ材料、動作、技術、検査を徹底して います。例えば、中国のワコールの工場では、1つの製品を作る時に生地、レース、縫い糸に至るまで 日本と同じ素材が使われています。それだけでなく、製品を縫う時の手順や手さばき、縫い目の数、 ミシンの設定まで日本と同様の ワコール品質基準 を採用しています。

 「一歩上の品質を目指し、付加価値をつける生産を行う」―それがMade by Wacoalの考え方です。 世界中の女性の満足をカタチにするために、ワコールは万国共通の厳しい品質基準のものづくりを目 指しています。

世 界のどこでも同じものづくり( M a d e b y W a c o a l )

 ワコールは、個人情報の適切な利用と保護をワコールの社会的責任と考え、情報セキュリティ対策 組織を設け、個人情報保護方針及び関連規定を定め、従業員対象の教育を実施しています。さらに個 人情報の運用状況をチェックする体制や、お客さま本人からのお問い合わせなどに対応する体制を整 備します。また、個人情報を取り扱う得意先さま、購買先さま、業務委託先さまにも、ワコールと同 等の情報保護を求めています。

個 人 情 報を保 護します

 ブラジャーの縫製は、手作業で行います。1枚のブラジャーにつき約20工程、これを1チーム20人 で約25分かけてつくっていきます。一つひとつの工程で、非常に繊細な作業が要求され、1ミリの狂 いもなく美しいフォルムに縫い合わせるためには、熟練した技術が必要とされます。ワコールでは「縫 製指令書」※という1枚の用紙を縫製工程の手順書として使用しています。

約 2 0 工 程 、1 チーム2 0 人で約 2 5 分

 インナーウェアの高い品質を維持するため、ワコールではひとつの商品に対して、本格的な生産に 入る前に、延べ150項目以上のテスト・チェックを行っています。製品は、企画から生産に入るまでに、 材料検討・機能評価(着用・実験・耐久)・試作という段階を踏みますが、この間にも構成するパーツや 半製品・完成品について、機能別特性に応じたテスト・チェックを行います。お客さまが商品に求める 品質を「安全性・耐久性・取り扱い性・着用性・外観性」といった、多様な側面から徹底的な品質検査 を実施することで高めています。

1 5 0 項目以 上のテスト・チェック

製品サービスの安全・安心

40以上におよぶブラジャーのパーツ

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お客さまへの対応

 ワコール人間科学研究所は、女性の「より美しくありたい」という気持ちに応えるために、女性のか らだを 科学の目 で徹底的に分析し、ものづくりに取り組んでいます。

 ワコールが掲げる「世の女性に美しくなって貰う事によって、広く社会に寄与する」という目標。そ の実現に向けて「女性のからだを科学的に研究して、ものづくりに生かす」ため、1964年にワコール 人間科学研究所は誕生しました。

 4歳から69歳まで、毎年約1,000人の女性の人体測定を行い、これまでに延べ40,000人以上の データを収集してきました。なかでも同じ女性を30年以上にわたって計測し、体型の変化を追った時 系列データは、他に例を見ない貴重な財産です。

 これらの実測データや、計測中に発見した女性のからだに関する知識は、女性の「美しくありたい」 という気持ちに応えるものづくりの大きなヒントになっています。

 ワコール人間科学研究所での計測は世界共通の人体計測法「マルチン式計測法※」を基本としていま

す。さらに、からだに触れることなく立体計測・分析ができる「非接触三次元計測装置」による計測も 行っています。それらの計測方法を組み合わせ、同じ女性の体型変化を30年以上にわたって追跡した 時系列データをはじめ、4歳から18歳までのティーンの体型変化を調査したデータ、産後の女性の体 型変化を1カ月ごとに調べたデータなどを収集。集めた多くのデータを基に女性のからだを深く研究 してきました。

 ワコール人間科学研究所での計測は世界共通の人体計測法「マルチン式計測法※」を基本としていま

す。さらに、からだに触れることなく立体計測・分析ができる「非接触三次元計測装置」による計測も 行っています。それらの計測方法を組み合わせ、同じ女性の体型変化を30年以上にわたって追跡した 時系列データをはじめ、4歳から18歳までのティーンの体型変化を調査したデータ、産後の女性の体 型変化を1カ月ごとに調べたデータなどを収集。集めた多くのデータを基に女性のからだを深く研究 してきました。

計 測データを収 集し、女 性のからだを深く研 究

 計測データを収集する中で、女性美に関するさまざまな事実や法則が見えてきました。ワコール人 間科学研究所は、プロポーションとボディ意識の関係を分析し、美しさを具体的なかたちや数値で表 すなど、女性美を研究することも活動のひとつです。今までに、日本女性の美しさの基準となる「ゴー ルデンプロポーション(1965年)」、年代別の美しさを明らかにした「ビューティフルプロポーション (1979年)」、理想のプロポーションからバランスの美を表した「ゴールデンカノン(1995年)」、「スパ イラルエイジング(2000年)」「からだのエイジングと美の法則(2010年)」など、多くの研究成果を公 表しています。

女 性 美の研 究∼新たな事 実や法 則を発 見∼

 ワコール人間科学研究所にとって、「人」の情報は製品をつくる基盤となっています。かたち、動き、 ここちよさといったからだの情報をベースに、さらに「こうしたい、こうなりたい」といった人の想いを 加えて、新製品開発を行っています。また、さまざまな側面から着用効果のテストを実施することに よって、徹底した製品検証を行っています。例えばブラジャー発売前には、すべてのサイズをモニター に試着していただくことはもちろん、ひとつのサイズにつき何十人もの方にご着用いただいて検証しま す。同じサイズでも、実際に着用される方のバストは、形もやわらかさもさまざま。一人ひとりの女性 が持つ美しさを引き出すような商品をつくるため、こうした地道な検証を日々続けています。

一 人ひとりのキレイを引き出す商 品づくりへ

 女性のからだの研究で、世界をリードする実績を挙げてきた人間科学研究所。科学から得た普遍性 や妥当性を備えた新しい知識を、「技術」として応用していく研究開発プロセスは、まさにワコールの 技術経営の中核をなします。そしてその膨大なデータは、それ自体が、当社の社会に対する多面的な 寄与を可能にする「社会的資産」なのです。

社 会 的 資 産

人間科学研究所

《 ワコール人間科学研究所の主な活動 》

※マルチン式計測法:人体の158カ所を測定。さらにワコール独自の測定方法を用い、バストの周りだけで約30カ所測ります。

新 製 品の開 発

「魅力的なコンセプトづくり」と、 それを商品化する 「ヒントになる人体情報」

の収集。

製 品 評 価 研 究

開発した新製品が 「コンセプトで設定したとおりの

パフォーマンス(機能)を発揮し ているかどうか」を正確に 測定する計測・評価方法の開発。

女 性 美の研 究

プロポーションとボディ意識の 関係を分析し、美しさを具体的な

かたちや数値で表し、 「ワコールが考える女性美を

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環 境

環 境 環 境

 ワコールは、グローバルな事業活動において、地球環境を守ることは企業の責務と考え、社会との

調和をめざす「相互信頼」の精神に従い、「未来に約束 広がる笑顔ときれいな地球」をモットーとして、

地球環境の保全に取り組んでいます。

 ワコールは、グローバルな事業活動において、地球環境を守ることは企業の責務と考え、社会との 調和をめざす「相互信頼」の精神に従い、「未来に約束 広がる笑顔ときれいな地球」をモットーとして、 地球環境の保全に取り組んでいます。

 ワコールでは次のグループ会社で、環境管理システムISO14001またはKESの認証を取得しています。

 ワコールでは、「環境方針」の下、3年ごとに「中期環境行動計画」を策定し、目標を定めた環境経営 を実践しています。

環 境 管 理システム

環 境目標

環境方針・目標

《 国内 》

・株式会社ワコール

・株式会社ワコールアートセンター ・ワコールサービス株式会社 ・株式会社ウンナナクール ・ワコール流通株式会社 ・九州ワコール製造株式会社 ・株式会社七彩

・新潟ワコール縫製株式会社 ・福岡ワコール縫製株式会社 ・北陸ワコール縫製株式会社 ・宮崎ワコール縫製株式会社

・株式会社トリーカ ・株式会社ルシアン

 (2012年8月現在)

《 海外 》

・広東ワコール有限公司 ・株式会社ベトナムワコール

※Kyoto=京都

 Environmental management system=環境マネジメントシステム  Standard=スタンダード 

 KES:1997年に議決した「京都議定書」の発祥地、京都から発信された「環境マネジメントシステム」の規格。  KESは、中小企業をはじめ、あらゆる事業者を対象に「環境改善活動に参画していただく」ことを目的に策定。

ISO14001認証取得会社

KES(京都環境マネジメントシステムスタンダード)※ 認証取得会社

業務改善によって事業活動の各過程における環境負荷を少なくし、汚染の予防に努め ます。

下記を中心とする環境目標を定め、環境管理システムを基に目標達成を図ります。 (1)省エネルギー、省資源、CO2排出量の削減

(2)廃棄物の減量と再資源化

(3)人と環境にやさしい製品開発、技術開発

(4)人と環境にやさしい材料、資材、事務用品などの購入

環境に関する法律・条例および自主管理基準を守ります。

環境教育を通して従業員の意識向上を図り、地域社会の一員として環境保全活動に協 力・貢献できるように努めます。

環境方針と環境保全への取り組み状況を一般に公開し、社会と一体となった活動をめ ざします。

5 4 3 2 1

中期環境行動計画 (2010年4月∼ 2013年3月)

ワコールグループ全体の環境管理システムの連携を強化します。

「業務改善=環境改善」の考え方で環境保全活動を推進します。 CO2排出量を削減します。

グリーン購入を推進します。 廃棄物の管理を徹底します。

環境リスク管理を徹底します。 環境情報を公開します。

環境教育を通して従業員の意識向上を図ります。

地域社会の一員として環境保全活動に協力・貢献できるように努めます。

9 8 7 6 5 4 3 2 1

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環 境

固形燃料(RPF)

保育園での縄跳び用縄作り 端切れの収納ケース

ブラ・リサイクルバック ブラ・リサイクルマーク

環境保全の取り組み

環境保全の取り組み

 九州ワコール製造株式会社では、ブラジャー、ガードル、ボディスーツなど、インナーウェアを中心 とした製品を製造しています。

 工場で一番環境に負荷をかけているのは、裁断くずです。生地を裁断する際にはCAD(computer aided design=コンピュータ支援設計)を使って、裁断ロスを減らすように工夫していますが、繊維材 料の4割近くが裁断くずとなり、それは廃棄物の4割を占めています。現在、この裁断くずは、すべて 固形燃料(RPF)※にして、製紙会社の燃料としてサーマルリサイクル※しています。

裁 断くずのリサイクル

 ワコールでは、環境商品評価基準を4区分に設定し、環境負荷の少ない商品提供に努めています。

ワコール環 境 配 慮 型 商 品 施 策

ブラ・リサイクル

 新潟ワコール縫製株式会社では、綿を中心とした天然素材を多く使用しています。その際、製造過 程で端切れや裁ちくずが多く発生します。

 これらの資源を有効活用し、廃棄物の削減を図るため、端切れを均等に裁断して近隣の福祉施設や 学校へ無償で提供しています。福祉施設や病院ではタオル代わりに、幼稚園では縄跳び用の縄などに して再利用されています。

※固形燃料(RPF):古紙と廃プラスティックから作られる固形燃料のこと。原料が古紙とプラスティックだけなので、燃料の品質が安定 しやすいのがメリット。

※サーマルリサイクル:廃棄物を単に焼却処理するだけではなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収、利用すること。

端 切れの有 効 活用

は ぎ

省エネ対応商品 (ウォームビズ、クールビズ対応商品)

エコ材料使用商品 (資源、循環を促す繊維を使用した商品) エコ設計商品 (設計段階で省資源の工夫をした商品)

ロングセラー商品 (5年以上継続する材料ロスの少ない商品)

4 3 2 1

∼使用済みのブラジャーを回収し、環境にやさしい固形燃料に∼

 2007年にワコールが行った消費者の意識調査では「ブラジャーを捨てることに躊躇することがあ る」という回答が61%もありました。ワコールではそのニーズに応えるため、2008年から環境活動の 一環として、「ブラ・リサイクル」に取り組んでいます。これは、不用になったブラジャーを専用の回収 袋(ブラ・リサイクルバッグ)に入れてお客さまに店頭までご持参いただき、回収したブラジャーを産業 用固形燃料(RPF)にリサイクルするというものです。このRPFと呼ばれる固形燃料は製紙会社などの 熱源の燃料として使用されています。

 なお、ブラ・リサイクルバッグは回収後、デリケートな女性心理に配慮して、未開封のまま処理して います。

 また、2010年からは、台湾ワコールが海外グループ企業として初めて「ブラ・リサイクル」を実施。 台湾全土約500店舗において、エコイメージで統一した店頭キャンペーンを行い、大きな反響を呼び ました。

(14)

労 働 慣 行

労 働 慣 行

太陽光発電パネル

人材育成

 2012年2月、滋賀県にあるワコール流通株式会社は太陽光発電システムを設置しました。同システ

ムは、Co2排出削減や再生可能エネルギー導入の機運が高まる社会背景から、企業環境活動の推進 と電力使用量削減に対応し、また地域貢献という観点から、災害時の避難場所としての提供を目的に 導入しました。

 太陽光発電システムは、499.95kwの発電容量で、年間使用量の33%を充足し、事業用の発電量と しては滋賀県最大規模(2012年2月現在)となります。

 ワコールグループで働く従業員は、当社にとって最も重要な資産のひとつです。そのためワコールで は、従業員との信頼関係を深め、すべての従業員が生き生きとやりがいをもって働ける職場環境や人 材活用・人材育成の仕組みづくりを進めています。

 ワコールグループで働く従業員は、当社にとって最も重要な資産のひとつです。そのためワコールで は、従業員との信頼関係を深め、すべての従業員が生き生きとやりがいをもって働ける職場環境や人 材活用・人材育成の仕組みづくりを進めています。

 男女を問わず、ただ仕事の指示を待つのではなく、ポジティブ思考で、自らのキャリア形成に積極 的な人材をワコールでは「自律型人材」と呼び、その育成を目的とした人材育成制度とプログラムを整 えています。OJTに加えて「階層別支援」「キャリア開発支援」「自己啓発支援」などを用意し、「ワコール 寺子屋」の名称で実施しています。

太 陽 光 発 電

 店頭のウインドウを飾るマネキンや各種ボディの製造、販売を扱う株式会社七彩は、2010年12月 に、環境にやさしいバイオマスプラスチック※を使用したマネキン・ボディを発表しました。この新し

い素材は、従来のマネキンの素材にバイオマスプラスチックを15%(重量比)混合したものです。

エコマネキン

 京都市では京都議定書が発効した2005年2月16日にちなんで、毎月16日を「DO YOU KYOTO ? デー」(環境に良いことをする日)とし、市内の事業所や施設のライトダウン(消灯)を呼びかけています。 ワコールはこのプロジェクトに賛同し、京都市内の各事業所では毎月16日20時以降、完全消灯に努 めています。

ライトダウン

ワコール流通株式会社西日本流通センターの建屋屋上(滋賀県守山市) 屋上に設置することで、事業所5階の断熱、空調効率アップも期待で きます。

設置場所

・発電容量(瞬間最大発電量)

:499.95kw(208.4w/枚 2,399枚/3,782㎡) ・年間予測発電量 :442,952kwh(a)

・使用電力量実績 :1,308,627kwh(b)

予測発電量で、年間使用量の約33%(a/b)を充足し、休日等の未使 用余剰電力は電力会社にて買取。

システム概要

※バイオマスプラスチック:トウモロコシなどのでんぷんや、サトウキビなどの糖分、食品廃棄物など、再生可能な生物資源から作られた プラスチック。枯渇が危惧され、地球温暖化の一因ともいわれている石油に頼ることなく、持続的に作ることができる。

ワコール寺 子 屋

 会社が成長するためには、従業員一人ひとりがそれぞれ高い目標を設定し、新しい取り組みに果敢 に挑戦することが必要です。これは、仕事を通して挑戦したいと考える「チャレンジ目標」を従業員自 らが設定し、その結果やプロセスのすぐれた人を表彰する制度です。

チャレンジ目標 表 彰 制 度

 従業員の活躍と会社への貢献をたたえ、さらなる意欲の向上を促すため、以下のような表彰制度を 設けています。

社内表 彰

 品質保証部では、TES(繊維製品品質管理士)の受験者をサポートするため、「TES受験講座」を 実施しています。講師は、TES資格を保有する従業員がボランティアで務めています。この講座は 単に合格者を増やすことが目的ではなく、繊維製品に関わる最新情報を共有できる場として活用し ています。

資 格 試 験サポート講 座を開 催

・善行者表彰

・ビューティーアドバイザー(BA)表彰 ・年間最優秀BA表彰

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労 働 慣 行

厚生労働省認定「くるみん」マーク

ワコール行動計画

子 育てサポート企 業の認 定「くるみん」マーク取 得

障がい者雇用

デフハートフル活 動

 ワコールは従業員の仕事と家庭の両立を支援する「ワコール行動計画」を策定し、実行してきました。 その結果、行動計画(2010年4月∼ 2012年3月)の目標を達成し、少子化対策を目的に制定された次 世代法(次世代育成支援対策推進法)に基づく、基準適合一般事業主として認定を受けました。 (2012年)

 多様な人材が一人ひとりの能力を最大限に活かして働けるよう、ワコールは引き続き「ワコール行動 計画」に基づき、仕事と子育てを両立できる職場環境の整備に取り組んでまいります。

 ワコールでは、子が満1歳になるまでの「育児休業」(保育状況が整わない等の場合は2歳まで)があ り、短期間の休業の場合5日間有給取得が可能です。そして、1日2時間以内(30分単位)で小学校就 学前まで取得可能な「短時間勤務」、小学校就学前の子1人につき、年間5日取得可能な有給の「看護 休暇」など、従業員にとって充実した育児制度が整っています。

 また、介護者1人につき365日の範囲内で取得可能な「介護休業」、1日2時間以内で取得可能な「介 護短時間勤務」や「介護フレックスタイム制度」もあります。

 このような制度とともに、育児休業者のスムーズな職場復帰と豊かな育児生活を支援するインター ネットプログラム「wiwiw(ウィウィ)」の導入や、介護に関しては、ワコール健康保険組合や外部相 談機関へ電話やメールで相談できるサービスなども行い、安心して育児・介護と仕事の両立ができる 環境づくりを進めています。

 ワコールでは業務の生産性向上と所定外労働時間削減のために毎週ノー残業デーを実施しています。 特に本社ビルでは、夏の節電対応として週2回のノー残業デーを実施したり、ビルの閉館時刻を早め るなど、必要に応じて見直しを行っています。

ワークライフバランス

育児、介護関連制度

ノー残業デー

 ワコールにおいて、障がい者雇用は大きなテーマであり、以前から積極的に取り組んできました。 障がいを持つ従業員たちにとって、いかに働きやすい職場環境を整え、提供できるかを重視してい ます。

 ワコールにおいて、障がい者雇用は大きなテーマであり、以前から積極的に取り組んできました。 障がいを持つ従業員たちにとって、いかに働きやすい職場環境を整え、提供できるかを重視してい ます。

 障がい者と健常者が同じ職場で働く場合、健常者は気づかなくても、障がい者には大きな壁に なっている場合があります。そうした壁をなくすため、ワコール本社では聴覚障がいをもつ従業員 が月に1回集まり、さまざまな問題をざっくばらんに話し合う意見交換会「デフ・ハートフル活動」を 行っています。

 その中から出された意見をもとに、社内放送の内容をメールで配信する、朝礼及びテレビ会議に手 話通訳者を手配するといった改善に取り組んできました。

地 元と共に生きる企 業として

 新潟ワコール縫製株式会社は、2011年「障害者雇用 優良事業所 厚生労働大臣賞」を受賞しました。 この分野では最も権威のある賞です。新潟ワコールの障がい者雇用はワコールグループの中でも群を 抜いており、身体に障がいのある方、知的障がいのある方などが勤務しています。

 ワコールがこの新潟の地に縫製工場を構えてから、38年が経ちました。地元との共生なくして、今 の新潟ワコールの障がい者雇用はなかったと思います。

 「地域に根ざした事業活動」とよく言われますが、障がい者の人たちと共にある事業活動もまた、そ の一つと考えています。障がい者と健常者が互いを理解し、同じ職場で力を合わせる。それは長年、 新潟ワコールで育んできた風土です。

ワコールキャリアサービス( W A C S )の障がい者 活用支 援 事 業

 WACSでは、障がいをもつ方が一人でも多く活躍できる社会づくりを目指しています。障がい者が 就職をする際には、さまざまな壁に当たることがあると思います。

参照

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